第11版の基本フェイズを理解しても、すべてのユニットが同じように動くわけではない。指揮官は部隊へ合流し、兵員は輸送車両から飛び出し、航空機は戦場上空を駆け抜ける。第11版では、こうした特殊ユニットの仕組みが大幅に整理されており、アーミー編成や実際の運用に直接影響する。
指揮官と支援合流キャラクターの新分類
第10版で部隊へ合流できるキャラクターは、まとめて指揮官として扱われていた。第11版では、合流可能なキャラクターが「指揮官」と「支援」に分かれる。ひとつの部隊には、最大で指揮官一人と支援一人を加えることができる。
たとえば強力な隊長が前線部隊を率い、衛生兵や副官に相当する支援が能力を補助する、といった編成がより一般的になる。一方、指揮官二人を同じ部隊へ入れることはできず、支援二人を詰め込むこともできない。どのキャラクターがどちらに分類されるかによって、新しい組み合わせが生まれる一方、従来可能だった組み合わせが変化する可能性もある。
指揮官は単独で戦場へ出すこともできるが、支援は必ず何らかの部隊へ合流しなければならない。安価な支援キャラクターを単独で作戦目標へ走らせたり、アクション専任にしたりする利用を防ぎ、本来の「部隊を支援する存在」としてポイント調整しやすくする狙いがあるのだろう。
また、キャラクターをどの部隊へ合流させるかは、ゲーム開始時ではなくアーミーリスト作成段階で宣言する形式になると解説されている。対戦相手の編成を見てから最適な合流先を選ぶのではなく、部隊の役割をリスト作成時に決める必要がある。
合流ユニットが倒れても指揮官は同じユニットの一員
合流ユニットの処理は、より直感的に整理される。第11版では、合流ユニットとキャラクターは、基本的に一つのユニットとして扱われ続ける。攻撃を受ける際は通常、合流ユニットを先に割り当て、キャラクターは最後のグループになるが、合流ユニットが全滅したからといって、キャラクターが突然「別の新しいユニット」になるわけではない。
この変更にはいくつもの影響がある。まず、合流ユニットが全滅した後も、キャラクターが「このユニットを率いている間」に与える強化能力を自分自身へ適用し続けられる。第10版で、部下が倒れた瞬間に指揮官本人の攻撃能力まで弱くなる不自然さがあった場合、第11版では解消される。
逆に、合流ユニット側が与えていた能力は、合流ユニットが全滅すれば失われる。指揮官が一人残った状態では、倒れた部隊の特殊訓練や戦術能力まで持ち続けるわけではない。
さらに、ユニットの開始時兵力が合流状態を含めて扱われるため、合流ユニットが全滅してキャラクターだけが残った場合、その指揮官は「部隊の最後の一人」として戦闘ショック判定の対象になり得る。強大な英雄でも、兵を失い孤立すれば作戦目標を確保できなくなる可能性がある。
回復や復活の処理にも恩恵がある。部隊全体が一つのユニットとして残っているなら、治療能力を持つキャラクターが生きている限り、倒れた合流ユニットを復帰させられる場合がある。第10版では随伴部隊が完全に失われた時点で復帰対象が消えてしまうケースもあったが、第11版では指揮官が部隊の継続性を保持する。
輸送車両からの降車は四種類
輸送車両の基本は変わらず、データシートに定員と搭載可能なキーワードが記載される。ユニットは通常移動、全力移動、退却の終了時に輸送車両から3mv以内へ到達すれば乗車でき、盤上から取り除かれて車内にいるものとして扱われる。車内のユニットは射撃デッキ能力などがない限り、盤上にいるユニットとして能力を使えない。
射撃デッキを持つ輸送車両では、指定された人数分の乗員が一つずつ射撃武器を選び、それを輸送車両自身の武器であるかのように撃つ。乗員側の能力ではなく、車両側の命中強化などが適用される点には注意が必要だ。
第11版で注目すべきは、降車が複数の方式へ整理されたことだ。輸送車両が通常移動した後、または増援として到着した後に兵員を降ろす「高速降車」では、各モデルを車両から3mv以内に完全に収めて配置する。降車した部隊は射撃できるが、突撃はできない。中盤の作戦目標へ車両を走らせ、歩兵を降ろして射撃しながら確保する使い方に向く。
輸送車両がまだ移動していない状態で降車する「戦術的降車」では、降車した部隊はその後に通常移動または全力移動を行う必要があり、条件を満たせば突撃もできる。ライノから近接部隊が飛び出し、移動して敵へ突撃する、古典的な攻撃運用はこちらで行うことになる。ただし、降りた後に静止を選べないため、移動終了で誘発される敵の反応能力には気を付けたい。
包囲された輸送車両からも戦闘降車できる
新たな選択肢として「戦闘降車」がある。これは、敵が車両を取り囲み、通常の方法では部隊全体を配置できない場合にだけ使用できる緊急的な降車である。配置範囲は車両から6mv以内へ広がり、必要なら敵の接敵範囲内へ直接配置することさえできる。
代償は重い。降車した部隊はモデルごとに暴発ロールを行い、損害を受ける可能性がある。さらに自動的に戦闘ショック状態になり、接敵せずに降車した場合は突撃できない。つまり、作戦目標を確保する部隊としてはほとんど機能しないが、包囲された車両の中で何もできず失われるよりは、近接部隊を敵の目前へ吐き出して反撃する機会を得られる。
輸送車両が破壊された際の「緊急降車移動」も厳しくなる。乗員は破壊される車両の周囲、できるだけ近い位置へ6mv以内で配置され、各モデルが暴発ロールを行う。その部隊は自動的に戦闘ショック状態となり、そのターンに突撃できない。さらに乗員を降ろした後で車両の大破判定を行うため、運が悪ければ脱出直後に爆発へ巻き込まれる。
輸送車両を盾や追加移動の道具として気軽に失う戦術は、かなり危険になった。車両を前へ出すなら、中身をいつ降ろすか、破壊された場合に周囲へどれほど被害が出るかまで計算する必要がある。
航空機は突入移動を繰り返す存在へ
航空機は第11版で大きく簡略化される。航空機モードで運用されるモデルは、盤上を直線移動し続けるのではなく、戦略的予備戦力から到着して射撃し、後に盤外へ去って再び突入移動を行う存在として扱われる。
第2バトルラウンド以降、航空機は戦場端から6mv以内、敵から8mvより離れた位置へ到着し、そのターンに射撃する。地上部隊は通常、航空機のベースを越えて動けず、飛行を持たなければ突撃もできないが、増援配置や一部の接敵移動では航空機を無視する場面もある。
単独工作員と超重歩行兵器
単独で行動するキャラクターなどに付く単独工作員は、通常、12mvより離れた敵から視認できないものとして扱われる。第11版では15mv版のように距離が異なる種類も登場する見込みで、間接射撃でも狙えない点が隠密状態との大きな違いとなる。
巨大な歩行兵器には「超重歩行兵器」に相当する共通ルールが整備される。通常移動、全力移動、退却時には敵のタイタニック以外のモデルを踏み越えられ、高さ4mv未満の地形を通過できる。より大きな障害を強引に突破する際には戦闘ショックを受ける危険があり、巨大モデルであっても無制限に盤面を踏み荒らせるわけではない。
敵の攻撃に反応して踏み込む進撃移動
第10版後期のデータシートで増えていた、敵の射撃などに反応して前へ踏み込む移動は、第11版で進撃移動として共通化される。データシート側が発動条件と移動距離を定め、発動した部隊は最も近い敵である対象へ向かって移動する。可能なら、その移動を接敵範囲内で終了しなければならない。
戦闘ショック状態のユニット、すでに接敵しているユニット、同じフェイズ中に別の理由で移動しているユニットは進撃移動を使えない。接敵範囲が2mvへ広がったことで、敵の射撃を受けた近接部隊がそのまま接敵し、以降の射撃を妨害する場面は増えそうだ。ただし、進撃移動で接敵したからといって必ず先に攻撃できるわけではない。敵が突撃を行っていなければ、白兵戦で相手に先に選ばれる可能性もある。
第11版では、特殊ユニットの能力を個々のデータシートへ繰り返し書くのではなく、共通処理として整理する方向が強い。
次回はいよいよ最終回として、策略、アーミー編成、作戦目標、アクションをまとめ、第11版がどのようなゲームを目指しているのかを整理する。



