ここまで、第11版の移動、射撃、地形、白兵戦、特殊ユニットを見てきた。しかし、実際のゲームで勝利を決めるのは、単に敵を破壊する力だけではない。どの瞬間に策略を使い、どのようなデタッチメントを組み合わせ、どの作戦目標を確保し、どのアクションを完遂するか。第11版のウォーハンマー40kは、戦術と得点の計画をこれまで以上に強く結び付けている。
策略は一つのユニットへ重ねられない
各プレイヤーは各指揮フェイズにCPを1点得る。これを支払って使用するのが策略である。すべてのアーミーは10種類のコア策略を使用でき、さらに選んだデタッチメントによる専用策略を持つ。ミッションデッキを使う場合には、一度だけ二次目標を捨てて新しい指令を得る選択肢もあると解説されている。
基本的な制限として、同じ策略は同じフェイズに二度使用できない。これは従来から分かりやすい規定だが、第11版にはもう一つ大きな制限が追加される。同じユニットを、一つのフェイズに複数の策略の対象にできないのである。
たとえば一台の車両へ煙幕を使い、さらに別の防御策略を重ねて極端に硬くする、といった運用はできない。重要なアタッカーへ策略で強化を行った後、そのユニットの失敗したダイスをリロールする策略で救済するような組み合わせも制約を受ける。CPを大量に集めても、一つの主力へすべてを集中させるのではなく、どのユニットへどの一手を使うかを選ばなければならない。
主要なコア策略の変更
リロール命令は引き続き1CPで、重要なヒット、ウーンズ、ダメージ、セーブ、突撃などを振り直す保険である。決死の脱出は暴発ロールへ統合されたため、対象リストから外れるが、役割そのものは大きく変わらない。最も価値が高いのは、成功すればゲームを動かす突撃や、巨大な一撃のダメージ量判定ロールなどだろう。
反攻戦術は2CPを要し、敵の白兵戦ユニットが攻撃した直後、自軍の接敵中ユニットを割り込ませて次に戦わせる。敵が複数の強力な突撃を仕掛けた際、まだ攻撃していない一隊を先に打ち倒せる可能性がある。
狂気の奮戦は、指揮フェイズで戦闘ショック判定を自動成功させる一度限りの策略だ。使用は判定を振る前に宣言しなければならない。ただし、すでに戦闘ショック状態の部隊は策略の対象になれないため、再集結判定を救うためには使えない。この点からも、第11版では敵に戦闘ショックを与えるタイミングが極めて重要になる。
旧来のグレネードに相当する策略は、爆発物使用として整理される。射撃可能で接敵しておらず、全力移動をしていない該当ユニットが、8mv以内の敵へ使用できる。D6を六個振り、4+ごとに致命的ダメージを与えるため、堅牢な敵への追加打撃として有効だ。
英雄的介入は、敵の突撃フェイズ終了時に使用する反撃突撃となる。1CPを使えば、敵の突撃部隊から12mv以内の自軍部隊が突撃を試みる。さらに2CP版では、突撃をしていない6mv以内のユニットに対しても突撃を行うことが出来るようになった。作戦目標を奪いに来た敵ユニットを、近接の主力がその場で叩き潰す場面も生まれるだろう。
激突は、モンスターにも使用可能になる。対象の耐久力に応じてダイスを振り、5+ごとに敵へ致命的ダメージを与える一方、1が出ると自分も損害を受ける。巨大な戦闘機械が敵陣へ突っ込む威力と危険性の両方を示す処理である。
警戒射撃は、敵移動フェイズ終了時に、24mv以内の敵へ使用する。命中は基本的に6のみで、命中のリロールも利用できない。敵が移動を開始する前や突撃の最中に撃つことはできなくなる一方、敵がすべて動いた後で最も危険な標的を選べる。自動命中武器や、6の出目で追加効果を生む武器は依然として有力な候補だ。
煙幕は、敵射撃フェイズ開始時に宣言して対象へ遮蔽ボーナスの恩恵を与える。第11版では遮蔽が射撃技能低下になったため、既に遮蔽を得ている車両へ使っても効果が重ならない。反応的に攻撃を見てから使えない点もあり、第10版より慎重な選択が必要になる。ただし、煙幕を張った車両の背後に部分的に隠れた味方へ遮蔽を提供できる追加効果は、歩兵を守るうえで役立つ場合がある。
英雄的挑戦は、キャラクターが白兵戦で精密攻撃を得て、敵指揮官を狙う策略だ。高速ダイス処理の結果、狙ったキャラクターを倒した後に残る攻撃が合流ユニットへ及びやすくなる場合もあり、強力な戦闘キャラクターには依然として重要な選択肢となる。
即応投入は、敵移動フェイズ終了時に戦略的予備戦力から一部隊を到着させる策略であり、第1バトルラウンドや航空機には使用できない。地形の裏へ近接部隊を安全に下ろし、次の自分のターンに短い突撃を狙う運用は、引き続き非常に強力である。
デタッチメントを組み合わせる新しい編成
コアルールブック自体にはアーミー編成が収録されていないと解説されているが、公開前情報からは大枠が見えている。2,000ポイントのゲームではデタッチメント・ポイントを3点、1,000ポイントのゲームでは2点持ち、その範囲内で複数のデタッチメントを組み合わせられる仕組みになる見込みだ。
重要なのは、部隊をデタッチメントごとに分割して所属させるのではなく、アーミー全体に対して、該当するキーワードのユニットへそれぞれのデタッチメント能力が適用されるという点である。ひとつのアーミーに異なる戦術テーマを混ぜ、射撃、機動、白兵戦を補完し合う編成が生まれる可能性がある。
データシートの採用制限は、通常の2,000ポイント戦で同一データシート最大3ユニット、1,000ポイント戦で最大2ユニットという基本が維持される見込みで、バトルラインや専用輸送車両は上限を増やせるとされる。アーミーにはウォーロードとなるキャラクターが必要で、指揮官や支援の合流先もリスト段階で記載する。
強化については、2,000ポイント戦で最大4種類まで取得できる見込みである。キャラクターへ与える従来型の強化に加え、通常ユニットを精鋭化する「アップグレード強化」に相当するものが登場する。最大三つの異なるユニットへ同種の強化を支払い、同じ役割の精鋭部隊を複数作る運用も考えられる。
ただし、合流した一つのユニットに適用できる強化は一つまでと説明されている。強化されたキャラクターを入れるか、随伴部隊そのものを強化するかを選ぶ必要があるため、合流部隊へあらゆる能力を盛り込むことは難しい。
地形そのものを奪い合うミッション
第11版のミッションで印象的なのは、作戦目標マーカーとして地形エリア自体を用いる考え方だ。公式の大会向け配置では、城や髑髏の印が付いた大きな廃墟エリアが、そのまま確保すべき作戦目標になる。小さな円盤の周囲3mvだけで争うのではなく、建物や陣地全体をめぐって戦うため、戦場の見た目とゲーム上の意味が一致しやすい。
作戦目標の確保方法そのものは馴染み深い。該当地形エリアに少しでも入っているモデルの確保力を合計し、敵を上回れば支配する。戦闘ショック状態のユニットは確保力を失うため、大部隊が陣地内へ入っていても、恐怖や混乱によって得点に貢献できなくなる。
もちろん、従来の円形作戦目標マーカーを使うためのルールも用意される。自分の地形コレクションやイベント環境に応じて、従来型の盤面を用いることは可能だ。ただ、公式が推したい遊び方は、地形と作戦目標が一体化した、より陣地戦らしい盤面であるように見える。
「作戦目標確保」に相当する能力も共通化される。第10版で俗にスティッキー・オブジェクティブと呼ばれていたもので、該当能力を持つユニットが確保した作戦目標は、部隊が離れたり撃破されたりしても、敵が後から支配するまで自軍のものとして残る。後方の目標を少数部隊で確保して主力を前へ送る戦術は、引き続き重要である。
アクションは得点のための仕事
アクションもコアルールとして明確に定義される。これは端末の操作、爆薬の設置、遺物の回収など、ミッション達成のために部隊が行う作業を表す。具体的な開始条件や得点はミッションカードが定めるが、共通の制限はコアルールで統一される。
航空機や要塞は通常アクションを行えない。戦闘ショック状態、確保力0または確保力なしのユニットも不可能である。敵と接敵している部隊、全力移動や退却を行った部隊も原則としてアクションを開始できない。アクションを行った部隊は、そのターンに射撃や突撃を行えなくなる。ただしタイタニック級の巨大モデルは、突撃こそできないものの射撃を続けられる場合がある。
一定時間継続するアクションでは、接敵移動や再編移動以外の移動を行うと中断され、途中で戦闘ショックに陥れば完了できない。敵を倒すだけでなく、敵の得点担当を怯ませ、押し退け、作業を妨害することが、勝利への直接的な手段になる。
第11版は「撃って倒す」だけでなく「戦場を制御する」版へ
第11版は、第10版をよりブラッシュアップした版となる。移動や白兵戦の処理を整理し、車両や飛行の動きを直感的にし、地形へ潜む部隊や作戦目標をめぐる戦いを強調している。
一方で、慣れるまではルールが混ざってしまうこともあるだろう。遮蔽は射手ごとに影響し、隠密状態は射撃を控える判断を生み、戦闘ショックは得点と策略の両方を奪う。デタッチメントを組み合わせる編成が実際にどの程度のバランスになるか、ポイントが公開された後にどの部隊が突出するかは、いよいよ今夜発表される!
また、回復処理、アーミー編成、隠密状態の公開直後の調整など、紙のコアルールブックに収まらずデジタル資料へ委ねられる情報が多い点には注意したい。特に版が変わってからは1か月単位で調整を行うそうなので、焦らずに少しずつ軍を強化するのがオススメだ。
それでも、新たな戦場で起きる駆け引きは魅力的だ。遮蔽物の陰で機会を待つ歩兵、砲撃の観測を行う前衛、燃え上がる輸送車両から飛び出す戦士、陣地を守り切るために恐怖へ耐える指揮官。第11版のウォーハンマー40kはより直感的に、ドラマティックで、競技的に進化していくだろう。
次回からは11版に合わせ、より実践的な検証なども行いたいと思う。また明日の更新をお楽しみに!



