今回は、ウォーハンマー40,000でより実戦的なロスターを作るための考え方を紹介する。
第10版では、ゲームズワークショップはアーミー構築をこれまでになくシンプルにした。ファクションとデタッチメントを選び、少なくとも1体のキャラクターを入れ、各データシートは基本的に3ユニットまで、バトルラインや専用輸送車両は6ユニットまで、同名のエピックヒーローは1体まで、という形だ。
この仕組みによって、巨大な戦車部隊、大量の歩兵、少数精鋭のエリート部隊など、さまざまな編成が可能になった。しかし自由度が高いぶん、初心者には少し分かりにくく、経験者にとっても「どう調整すればもっと強くなるか」を考える余地が大きい。
ロスター作成で最初に考えるべきなのは、デタッチメント、コンボ、そしてプレイスタイルである。要するに「この軍はどうやって勝つのか」を決めることだ。たとえばスペースマリーンのグラディウス・タスクフォースなら、機動力、射撃、白兵戦をバランスよく支援できる。一方でティラニッドのヴァンガード・オンスロートなら、潜入系ユニットや高速ゲリラ戦を活かす構成になる。
デタッチメントは、特定のユニットを強く支援する。たとえばサラマンダーと相性のよいファイアストーム・アサルトフォースは、近距離射撃を重視する編成に向いている。メルタやフレイマーが強化され、アサルト能力によって必要な場所へ移動しやすくなる。そのため、プライマリス・エラディケイター、ランドレイダー・リディーマー、インフェルヌス・スカッドのようなユニットは特に恩恵を受けやすい。
ただし、すべてのユニットがデタッチメントの支援を受ける必要はない。中には単体性能が高く、どんな編成にも入りやすいユニットもある。たとえばネクロンのク=タンは、デタッチメントの支援が少なくても強力な存在だ。また、スペースマリーンのグラディエイター・ランサーやバリストゥス・ドレッドノートのような射撃ユニットは、特別なサポートがなくても役割を果たしやすい。
次に考えたいのは、ダメージ源のバランスである。多くのアーミーは、その時点で効率の良いユニットに自然と寄っていく。たとえばオルクのウォー・ホードなら白兵戦をさらに強化し、ドレッド・モブならウォーカー系の射撃を支援する。ケイオス・スペースマリーンであれば、ケイオスロードと一緒にチョーズンやレギオナリーをケイオス・ライノに乗せる構成は安定して強い。
とはいえ、射撃と白兵戦のどちらかに極端に寄りすぎると、対応できない相手が出てくる。射撃ユニットは、白兵戦で厄介な敵を事前に削ることができる。逆に白兵戦ユニットは、敵がこちらの射撃陣地に踏み込んできたときの反撃手段になる。また、突撃による追加移動を使って敵を倒しつつ、同時に目標を奪うこともできる。
たとえば、戦車主体のアストラ・ミリタルムロスターにアッティラ・ラフライダーを入れておけば、敵が戦車に接近したときに強力なカウンターチャージを狙える。逆に白兵戦中心のスペースウルフロスターにグラディエイター・ランサーを2両入れれば、敵の大型兵器にプレッシャーをかけられる。
また、いわゆる「スタットチェック」型の軍に対処できるかも重要だ。大型戦車やモンスターが大量に出てくる編成、カストーディアン・ガードのような硬い歩兵を大量に並べる編成、あるいはオルクの大群のようなホード編成に、まったく勝ち筋がないロスターは危険である。たとえば対戦車に特化しすぎたグラディエイター・ランサーだけでなく、もう少し幅広く使えるヴィンディケイターやバリストゥス・ドレッドノートを入れることで、ターミネイター級の重歩兵や通常歩兵にも対応しやすくなる。
次に、アーミーの基本的な役割分担を考える必要がある。ほとんどのウォーハンマー40,000のアーミーでは、自陣目標を守るユニット、中央目標を取りに行くユニット、セカンダリーミッションを達成するユニット、そして他のユニットを強化するキャラクターやシナジーユニットが必要になる。
自陣目標を守るユニットは、できれば安く済ませたい。トーナメントの地形配置では、自陣目標付近に大きな廃墟があり、敵の射線を切れることが多い。そのため、そこに置くユニットは必ずしも非常に硬い必要はない。理想的なのは、プライマリス・インターセッサーやケイオス・カルティスト、クルート・カーニヴォアのように、目標を確保し続けられる「スティッキー・オブジェクティブ」系の能力を持つユニットだ。
一方、中央目標を取りに行くユニットには、ある程度の耐久力や圧力が必要になる。安価なユニットを遮蔽裏に置いて粘る方法もあれば、ネクロン・ウォリアーやカストーディアン・ウォーデンのような硬いユニットで正面から維持する方法もある。サウザンド・サンのルブリック・マリーンやスカラベ・オカルト・ターミネイターのように、耐久力と火力を兼ねたユニットも中央目標向きだ。
セカンダリー担当には、安く、速く、柔軟なユニットが向いている。理想としては100ポイント以下で、縦深攻撃、再配置、高機動力のいずれかを持つユニットだ。ストームボゥイ、ツァーンゴール・エンライテンド、ヴェスピッド・スティングウィング、プライマリス・インフィルトレイターなどがその例である。こうしたユニットは、アクションを行うだけでなく、敵のディープストライクを妨害したり、移動経路を塞いだりする役割も果たせる。
さらに、キャラクターやシナジーユニットも重要だ。2000ポイント戦では、1000ポイント戦よりもキャラクターや全体強化の価値が高くなる。たとえばアデプトゥス・メカニカスのベルサリウス・カウルのような全体支援型ユニットは、ポイント規模が大きいほど影響範囲が広くなる。多くの場合、強力なダメージディーラーはキャラクターに率いられ、さらにデタッチメント能力や強化能力によって支援されることで真価を発揮する。
また、リザーブをまったく使わないロスターは、少しもったいない。予備戦力は敵に後方警戒を強制し、こちらの柔軟性を高める。特に、ディープストライクから即応投入を使って安全な位置に現れ、次のターンに白兵戦を仕掛けるユニットは非常に強力だ。ワールドイーターのエグザルテッド・エイトバウンドや、ブラッドエンジェルのデスカンパニー、サングィナリー・ガードなどはその代表例である。
同じく、浸透戦術を持つユニットも大きな価値を持つ。序盤から中央に圧力をかけ、敵の潜入ユニットを封じ、1ターン目のセカンダリーにも対応しやすくなる。エンペラーズ・チルドレンのトーメンターのようなユニットは、目標確保や前線展開の両方に使える。
最後に、ロスターを作るときは「どんなゲームで使うのか」を考えるべきだ。カジュアルゲームなのか、競技的なトーナメントなのか。地形は多いのか少ないのか。ミッションは何か。地形が少なければ射撃戦車が有利になり、廃墟が多く白兵戦ユニットが隠れやすい環境なら、近接ユニットの価値は上がる。
また、地域のメタも重要である。大型大会ではスペースマリーンに当たる可能性は高く、現在強力なネクロンのク=タン対策も考えておきたい。地元環境でデスウィング・ナイトやアデプトゥス・カストーデスが多いなら、ターミネイター級の硬い歩兵を倒す手段が必要になる。逆に戦車やモンスターが多い環境なら、対戦車火力を増やすべきだ。
ただし、特定の相手だけを露骨に対策するのは注意が必要だ。相手がインペリアルナイトを使うと分かっていて、こちらが対戦車砲だけを大量に持ち込めば、一方的なゲームになってしまう。互いに納得してロスター調整を楽しむならよいが、公平なゲームをしたいなら、極端なメタ読みは避けた方がいい。
強いロスターを作りたいなら、トーナメントで上位に入ったロスターを見るのも役に立つ。Goonhammerの40k Stat Check、Listhammer.info、Best Coast Pairingsなどには、実績あるロスターが掲載されている。ただし、優勝ロスターをそのままコピーしても、自分が使いこなせるとは限らない。第10版のウォーハンマー40,000は、プレイヤースキルの影響が大きいからだ。
大事なのは、上位ロスターの「考え方」を学ぶことである。どのユニットがどの役割を担っているのか、どんなコンボを中心にしているのかを見て、自分のコレクションやプレイスタイルに合わせて調整するのがよい。現在のウォーハンマー40,000では、最適解に近い構成は存在するものの、バランス調整を経た結果、海外のトーナメントでの使用率が少ないユニットでも十分に戦えることが多い。
むしろ、少し変わった構成は相手の想定を外す強みになることもある。自分のモデル、自分の環境、自分の勝ち筋に合わせて、役割のあるユニットを積み重ねていくこと。それこそが、より良いロスターを作るための第一歩である。




