アルマゲドン3/3 ー終わらない地獄、大亀裂後のアルマゲドンー

第3回:終わらない地獄、大亀裂後のアルマゲドン

第三次アルマゲドン戦争は、帝国にとって「かろうじて守り切った戦争」だった。ガズグッカル・ザラガは惑星を離れ、政治将校ヤーリックブラックテンプラー大将帥ヘルブレヒトはその後を追った。しかし、それでアルマゲドンが平和になったわけではない。むしろ、この惑星の戦争は終わらなかった。

ガズグッカルが去った後も、惑星各地には膨大な数のオルクが残されていた。彼らは撤退しない。降伏もしない。組織的な大侵攻が終わったとしても、オルクは戦い続ける。荒野に潜み、廃墟を根城にし、ジャングルで野生化し、再び群れを成して襲いかかる。アルマゲドンは、勝利しても掃討しきれない敵に満ちた惑星となった。

この星の地理そのものが、戦争を長引かせている。主要な大陸はアルマゲドン・プライムアルマゲドン・セクンドゥスに分かれ、その間には広大な赤道ジャングルが広がっている。北方には鉱山と採掘施設が集まるファイア・ウェイストがあり、南方には氷に覆われたデッドランドがある。デッドランドの氷は、汚染された惑星で生きる人々にとって貴重な水源でもあった。つまり、どの地域も軍事的・産業的に重要であり、無視できる場所など存在しない。

アルマゲドン・プライムには、ヴォルカヌス・ハイヴテンペストラ・ハイヴデス・マイア・ハイヴといった巨大都市が存在する。これらの都市の周囲には工場、港、橋、山脈、防衛線、観測施設があり、それぞれが戦争の焦点となった。テンペストラ・ハイヴオルクの攻撃によって制圧され、帝国軍は都市を封じ込め、奪還の機会をうかがうことになった。

一方、アルマゲドン・セクンドゥスでは、ヘルズリーチ・ハイヴアケロン・ハイヴなどが激戦地となった。ヘルズリーチ周辺には巨大な港湾、造船所、油田、水の輸送施設があり、これらは惑星の工業力を維持するために不可欠だった。アケロン・ハイヴは広大な灰の荒野に囲まれ、やがて裏切りによってオルクの手に落ちる。アルマゲドンにおける戦争は、単なる前線の押し合いではなく、都市機能そのものを奪い合う総力戦だった。

さらに厄介なのが赤道ジャングルである。ここには、第二次侵攻以降に取り残され、文明的な装備を失って野生化したフェラル・オルクたちが潜んでいる。彼らを狩るために、アストラ・ミリタルムの特殊部隊アルマゲドン・オルクハンターが活動している。だが、ジャングルは広大で、病気、毒虫、古代の異物、そしてケイオスの影響まで潜む危険地帯である。そこでは帝国の秩序さえ、簡単に呑み込まれてしまう。

そして第41千年紀末、銀河そのものが裂ける。ケイディアの陥落とともに、恐怖の眼は拡大し、現実宇宙を引き裂く大規模なワープ嵐、大亀裂が生まれた。高ゴシックでシカトリックス・マレディクトゥムとも呼ばれるこの亀裂は、銀河を二つに分断した。

その影響は、アルマゲドンにも及んだ。戦場はもはや、帝国軍とオルクだけのものではなくなる。コーンティーンチに仕えるディーモンの軍勢が現れ、現実の法則に縛られない戦場が広がった。第三次戦争を生き延びた帝国軍、惑星に残ったオルク、そして新たに湧き出したディーモンたち。アルマゲドンは、三つ巴の地獄へと変貌したのである。

この状況下で、帝国はなおも惑星を見捨てなかった。第三次戦争後も残存していたアストラ・ミリタルムの連隊、複数のスペースマリーン戦団、そして新たな増援が、この破滅的な戦場に投入された。サラマンダーを中心とする戦団の部隊は、かつて第一次アルマゲドン戦争でこの星を血に染めたアングロンを再び呼び戻そうとする儀式を阻止したとされる。

ここに、アルマゲドンという惑星の本質がある。この星は、帝国にとって単なる生産拠点ではない。失えば周辺宙域の軍需が崩れ、守れば守るほど兵士と資源を呑み込む巨大な消耗炉である。オルクにとっては、いつ来ても戦える伝説の戦場である。ケイオスにとっては、血と絶望と憎悪が渦巻く格好の祭壇である。

だからこそ、アルマゲドンは終わらない。
勝利しても、次の敵が現れる。
敵を退けても、惑星そのものが死に近づいていく。
それでも帝国は守り続ける。なぜなら、アルマゲドンを失うことは、単にひとつの惑星を失うことではないからだ。

それは、帝国の戦争機械の一部を失うこと。
それは、オルクに永遠の勝利の象徴を与えること。
それは、ケイオスにさらなる裂け目を許すこと。

アルマゲドンは、ウォーハンマー40,000という世界観を象徴する惑星である。そこには英雄がいる。裏切り者がいる。無能な支配者がいる。燃え続ける工場があり、灰に埋もれた都市があり、終わらない戦争がある。

そして何より、そこにはこの世界らしい冷酷な真実がある。
「守る価値があるものほど、守るために多くを犠牲にしなければならない」という真実だ。

アルマゲドンは今日も燃えている。
帝国のために。
戦争のために。
そして、終わりなき暗黒の未来のために。

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