ウォーハンマー40,000の銀河には、数えきれないほどの戦場が存在する。だが、その名を聞くだけで「戦争」「破壊」「終わりなき消耗戦」を連想させる惑星は、そう多くない。その代表格が、帝国領の巨大工業惑星アルマゲドンである。
アルマゲドンは、テラから銀河北東方向へ約1万光年離れたセグメントゥム・ソーラーに位置する、帝国のハイヴワールド(階層都市)であり、同時に巨大な工業惑星でもある。星系内では第4惑星にあたり、周辺宙域にとって工業生産の中心地として機能してきた。武器、車両、弾薬、軍需物資。帝国の戦争機械を支える膨大な生産力こそが、この惑星の価値だった。
しかし、その代償はあまりにも大きい。数千年にわたる工業活動によって、アルマゲドンの地表は荒廃し、海は汚染され、大気は人間が自然に生きられるものではなくなった。人々は巨大な都市構造体であるハイヴシティの内部か、帝国軍の施設の中でしか生きられない。食料は惑星外から運び込まれ、清浄な水と空気は貴重品である。外界は灰と毒と廃棄物に満ちた死の大地なのだ。
この環境は、アルマゲドンの兵士たちにも大きな影響を与えた。惑星を代表する連隊、アルマゲドン・スティールレギオンは、車両による機械化歩兵戦を得意とする。生身で外に出ることが危険な惑星で育った彼らにとって、輸送車両や装甲車両は単なる移動手段ではない。命を守る殻であり、戦場で生き残るための生活圏そのものなのである。
だが、アルマゲドンの歴史は、単なる工業惑星のそれでは終わらない。

*ウラノール十字軍の戦い。ホルスの体逆が起こる前、皇帝自らがオルクの王、ウラノール・プライムを討伐しした。
この星には、はるか昔の伝説的な戦争の記憶が眠っている。その起源をたどると、物語は大征戦末期のウラノール十字軍にまでさかのぼる。皇帝の軍勢は、当時最大級のオルク帝国の中心であったウラノール・プライムへと攻撃を仕掛けた。そこにはルナウルフ(後のサン・オヴ・ホルス)、ホワイトスカー、ウルトラマリーンの軍団、膨大な帝国軍、巨神兵器タイタン、そして艦隊が投入された。
この戦役を勝利に導いたのが、後に銀河最大の内戦を引き起こすことになるホルスである。ウラノールでの勝利は、大征戦の頂点とも言える出来事だった。勝利の後、皇帝はテラへ戻り、全軍の指揮をホルスに委ねる。ここでホルスはウォーマスターの地位を与えられた。しかし、この栄誉こそが、やがてホルスの大逆へとつながる不和の種でもあった。

*ウラノール十字軍の後、大勝利を収めたプライマーク達は、祝いの席に集まる。
さらに時代が下ると、ウラノールは再び銀河規模の脅威の中心となる。第32千年紀、謎のオルクの大将軍ザ・ビーストが、かつてのウラノール・プライムを拠点に、帝国を揺るがす大侵攻を開始した。ザ・ビーストは惑星そのものを移動要塞化し、最終的にはテラを破壊しようとしたとされる。
この時代の記録は複雑だが、重要なのはひとつだ。アルマゲドンという星は、単なる工業惑星ではなく、古代からオルクと帝国の大戦争に深く結びついた場所だったということである。後にこの星が再びオルクの大軍勢を呼び寄せることになるのは、偶然ではなかったのかもしれない。
そして第41千年紀、アルマゲドンは本格的に地獄へと変わる。最初にこの星を襲ったのは、オルクではなく、ケイオスであった。ワールドイーターのディーモンプライマーク、アングロン率いる軍勢が、第一次アルマゲドン戦争を引き起こしたのである。

この戦いでは、スペースウルフをはじめとする帝国の戦士たちが、筆舌に尽くしがたい犠牲を払いながらアングロンの軍勢を食い止めた。しかし勝利の後、帝国は残酷な決断を下す。ディーモンプライマークの存在を秘匿するため、戦いを生き延びた住民や兵士たちは隔離され、過酷な処置を受けた。スペースウルフの大狼主ローガン・グリムナーが、この件で異端審問庁を決して許さなかったという逸話は、帝国の勝利が必ずしも救いを意味しないことを物語っている。
こうしてアルマゲドンは、最初の大戦争を生き延びた。だが、この星の苦難はまだ始まったばかりだった。やがて銀河最強のオルク大将軍、ガズグッカル・ザラガがこの星に目を向ける。彼にとってアルマゲドンは、ただ征服すべき惑星ではなかった。己の力を証明し、銀河中のオルクに「最高の戦場」を示すための舞台だったのである。
次回、物語は第二次アルマゲドン戦争へと移る。無能な総督、孤立した都市、そしてひとりの老政治将校。政治将校ヤーリックの伝説は、ここから始まる。




