この記事はバトルフロントコミュニティからの転載です。原文を日本語に翻訳して掲載しています。
出典:Painting Winter Camouflage
原記事URL:https://www.battlefront-community.com/article/painting-winter-camouflage/
原記事公開日:2026年11月5日
著者:James Brown
冬季迷彩の塗装
雪が降ると、車両迷彩について実証されてきた原則のほとんどが通用しなくなります。冬季に戦う機械化部隊は、その環境が求める条件に対応するため、迷彩の方法を素早く変えていきました。
一面真っ白な背景に戦闘車両を溶け込ませるうえで、最も重要な手順は、言うまでもなく車両を白く塗ることです。
理想的には、酸化チタンまたは酸化亜鉛を使った油性塗料を、車両に少なくとも1回は塗ります。白い仕上がりの鮮やかさを高めるため、ごく少量の青を加えることもありました。
良質な塗料が十分な量だけ手に入るとは限らなかったため、もう一つの非常に一般的な方法がホワイトウォッシュでした。これは、石灰とチョークを水に溶かして作る、安価な塗料や着色剤です。入手しやすい一方で耐久性はあまりなく、比較的短期間で流れ落ちたり、擦れて剥がれたりします。そのため、春には簡単に落とせるという利点もありました。
塗料やホワイトウォッシュの塗り方は、考えつく限りさまざまでした。野戦整備工場で刷毛や吹き付けによりきれいに塗ることもあれば、ほうきやモップで大ざっぱに塗りつけることもありました。乗員がバケツから塗料を直接ぶちまけたと思われる例も少なくありません。
車体全体を白く覆うのは、通常、身を隠して発見されにくくするためでした。車種などの識別を避けたい場合や、雪がまばらにしか積もっていない地形で行動する場合には、白と暗い色を組み合わせた分断迷彩がよく使われました。暗い色には、たいてい車両の工場出荷時の塗装色がそのまま使われています。
戦車の冬季迷彩と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、擦れて色あせたホワイトウォッシュの、汚れてまだらになった姿でしょう。また、これはミニチュアの塗装で、うまく再現するのが特に難しいと感じられている表現の一つでもあります。十分な時間と手間をかければ、ホワイトウォッシュを施した戦車の見た目を再現すること自体は、それほど難しくありません。しかし、その苦労の成果が、何気なく見る人には、雑で急いで仕上げた塗装にしか見えないことが、あまりにもよくあるのです。
ここでは、家庭にある身近な品を使って、冬季迷彩を手早く簡単に塗るための、シンプルで効果的な技法をいくつか紹介します。写真の作例はすべて1:100スケールの戦車ですが、これらの技法は、一般的なウォーゲーム用のどのスケールでも同じように使えます。
スポンジ・チッピング(Sponge Chipping)
まず思いつく方法は、車両の既存の塗装の上に冬季迷彩を塗り、元の色をところどころに残すというものです。
この方法でも効果的な仕上がりになりますが、満足のいく見た目にするには、丁寧な重ね塗りを何度も行う必要があり、かなりの手間がかかりがちです。きれいに仕上げる塗装技術があっても、アーミー全体を塗るには時間がかかりすぎて、実用的ではないかもしれません。
はるかに速い方法は、最初にモデルを白く塗り、その後で暗い色の擦り傷や塗装の剥がれを描き加えることです。
このT-34(右)には白で下塗りを行い、次にグレーのウォッシュと白のドライブラシを施して、立体感を出しています。
スポンジを使うと、塗装の剥がれを手早く効果的に再現できます。スポンジに少量の塗料を含ませ、余分を拭き取ってから、慎重に軽くたたいて剥がれを描き込みます。ブリスターパックの緩衝材のスポンジをちぎったものは、比較的大きな剥がれの表現に向いています。一方、化粧用スポンジなら、より細かな表現ができ、小スケールのミニチュアに微細な剥がれを描くのに適しています。
特に摩耗の激しい箇所は、筆を使って描き込みます。
実際に塗装を剥がすチッピング(Real chipping)
スケールモデラーが発展させてきた、より高度な方法では、車両の基本色の上に白い塗料を吹き付けてから、実際に塗装を剥がします。冬季塗装の一部を引っかいたり擦り落としたりする方法と、部分的にマスキングする方法があります。
前者の方法では、塗料を取り除くために、何らかの研磨作用を使う必要があります。この場合、多くのモデラーは基本色にエナメル塗料を選びます。アクリル塗料よりも丈夫で、白い塗料と一緒に剥がれてしまう可能性が低いためです。
アクリル塗料を使う場合には、光沢バーニッシュをたっぷり塗って基本色を保護する方法もあります。さまざまな用途でモデラーに愛用されているFutureやKlearなどのアクリル系床用ワックスも、同じように役立ちます。
ヘアスプレー(Hairspray)
引っかき傷や擦れのある塗装の見た目は好きでも、基本色を傷めるのが心配なら、白を塗る前にモデルへヘアスプレーを吹き付けるという便利な方法があります。ヘアスプレーが塗料の強固な密着を妨げるため、少量の水と、硬めの筆や柔らかい歯ブラシを使って、塗料の一部を擦り落とせるようになります。
マスキング(Masking)
擦り落とす方法よりも穏やかで、効果を調整しやすい方法として、マスキング液のような剥がせるマスクや、水溶性の「レジスト剤」を使う方法があります。これらは、一部の箇所に迷彩塗料が密着するのを防ぎます。やり方はとても簡単です。
まず、車両を通常の基本色で塗ります。表面の大部分は白で覆われるので、完璧にきれいに塗ろうと気を遣いすぎる必要はありません。
暗い色は白との対比が非常に強く見えがちなので、基本色を普段よりも少し明るくしてもよいでしょう。この点は好みで決めてください。
次に、スポンジでレジスト剤を軽くたたいて付けるか、古い筆で点を打つように付けます。特に摩耗の激しい部分を意識してください。この作例では、レジスト剤として歯磨き粉を使いました。
特別なこつはありません。ホワイトウォッシュを付着させたくないところに塗るだけです。歯磨き粉は長時間放置すると乾きます。それ自体は大きな問題ではありませんが、少し擦り落としにくくなることがあるので、あまり長く待たないようにしましょう。
歯磨き粉の付き具合に満足できたら、車両に白を吹き付けます。エアブラシがあると迷彩塗膜の不透明度を自在に調節できるので、非常に便利です。持っていなくても心配はいりません。白のスプレー塗料を薄く吹き付ける方法でも、うまくいきます。
白い塗料が完全に乾いたら、歯磨き粉を洗い落とし、「塗装が剥がれた」部分を露出させます。歯磨き粉には軽い研磨作用があることに注意してください。歯がきれいになるのも、その作用によるものです。擦り落とすときは、十分に優しく扱いましょう。上で紹介したような研磨による技法で、歯磨き粉を使って塗料を擦り落とす人もいますが、私はマスクとして使うほうが、効果を調整しやすくて好みです。
この技法を使うモデラーの間で、意外にも人気を集めている素材の一つが、食品用スプレッドのマーマイト(Marmite)です。世界には不運な地域もあり、マーマイトやベジマイト(Vegemite)、プロマイト(Promite)などの酵母エキス製品が手に入りにくいことがあります。たとえばアメリカ人は、あの刺激的で酸味のある味がそろって苦手なようで、たいていは近寄ろうともしません。マーマイトが手に入らなくても、ほかの身近な家庭用品で代用できるものはたくさんあります。
筆やスポンジで塗るのに適した質感と粘度があり、水に完全に溶けるものであれば、試してみる価値があります。
塩(Salt)
塩は、扱いに少し手間がかかるものの、効果的なマスキング素材です。研磨作用を利用できる点も役立ちます。
付け方はいくつかありますが、私が最も簡単だと感じたのは、マスキングしたい部分に筆で水を塗り、そこへ塩の粒を慎重に筆で置くか、振りかける方法です。
少し湿らせた筆で塩の粒を丁寧に動かし、納得のいく配置になるまで、少し時間をかけて調整します。
吹き付け後に塩を取り除く最も簡単な方法は、水で洗い落とすか、柔らかい筆で払い落とすことです。歯磨き粉やマーマイトによるチッピングでは輪郭がくっきりするのに対し、この方法ではマスキングした部分の縁が、少しぼけたような仕上がりになります。
あるいは、乾いた状態のまま、柔らかい布で塩を払い落とすこともできます。布に塩の粒をいくらか取り、その粒で軽く擦れば、塗料をもう少しだけ落とせます。いつものことですが、強く擦りすぎないでください。せっかく仕上げてウェザリングを施した基本色まで、一緒に擦り落としてしまうかもしれません。
迷彩の上にホワイトウォッシュを施す(Whitewash over camouflage)
特に目を引く一方で、再現の難しい表現の一つが、迷彩模様の上に施されたホワイトウォッシュです。筆塗りではほとんど不可能ですが、部分的なマスキングを使えば、比較的簡単にこの見た目を作れます。
マスキングの前に、ホワイトウォッシュで覆うものをすべて塗装し、デカールも貼っておきます。工具や予備履帯などの装備品も含みます。
このIII号突撃砲(StuG III)には、液体マスク、マスキングテープ、そしてたっぷりのベジマイトを組み合わせ、あらゆる手を尽くしました。マーマイトを使った場合と効果は変わりません。単に私がこちらの味を好むだけです。
エアブラシで吹き付けた後も、下の迷彩がうっすらと見えています。冬季迷彩です。
マスクを外し、ベジマイトを慎重に洗い落とすと、塗装の剥がれを通して迷彩模様が控えめに姿を現します。
では、どの技法を使えばよいのでしょうか?
スケールモデラーは、ここで紹介したものをはじめとするウェザリング技法を使い、塗装だけでは表現できない、摩耗したり傷んだりした塗膜を再現します。実際に塗装を剥がした部分には、筆で描いた剥がれにはない、ほとんど気付かないほどの盛り上がった縁ができます。
慣れてくれば、塩やマーマイトによるマスキングで、塗膜をわずかに泡立たせたり、めくれさせたりすることさえできます。非常にリアルに見える表現ですが、頻繁に手で扱われることに耐えなければならないウォーゲーム用ミニチュアには、まったく向いていません。
冬季仕様のアーミーをとにかく手早く仕上げたいのであれば、最初に紹介した方法、つまり白く塗ってからスポンジ・チッピングを施すのが、まずまずの結果を得るための最も簡単な方法です。でも、少し違うことを試してみたくなったら、ぜひほかの技法も実験してみてください。本当に楽しいものばかりです。
James
訳注
原文のT-34の説明にある「右」は、原記事での位置を示しています。本訳では対応する画像を説明の直後に配置しています。
「エアブラシで吹き付けた後」の段落末尾にある「Winter Camouflage.」は独立した句として原文に記載されているため、「冬季迷彩です。」と訳して残しています。




























